スポンサーサイト
--.--.--(--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
4:23
2011.09.27(Tue)


Duvet Boa


よく風呂桶のそこまで沈むのが好きだった
たしかきっかけは小学生のときにお風呂からあがろうとして足をすべらせて
誤って沈没してしまったのがはじまりだった気がする
そのなんと、水面のきらきらしていることか

それからというもの風呂場で沈むのが私の日課となった
一杯にお湯を足した浴槽につけている背中をだんだんとずらしていき、水が顔を覆っていくのを感じながら奥へ奥へと沈んでいく
きらびやかな水の中は浮遊感とともに私を異世界へと迷い込ませた気にさせた

しかし中学生になってから、この日課の意味合いはだんだんと変わっていった
ちょうど母が妹を流産してからだ
母の癇癪から逃げるように 私は浴槽を深く沈んでいった
そこは唯一 家の中で父と母の口論の一切を聞かずにすむ場所だったからだ

高校生に入ってからは浴槽から上がっても沈むようになった
母の小さな小言や たわいのない友人の言葉など
そういったものに打ちのめされた時のことを私は「潜水」と表現した
体がだんだんと沈んでいく、しかしそこには以前のような輝きや浮遊感はなく
少なくなっていく酸素にただ息苦しさを感じるだけだった

このまま沈んでいけば死ねるだろうか
あるとき、朦朧とした意識の中で、ある考えが浮かんだ

いつものように風呂場のドアを開け 蛇口をひねる 徐々に水が浴槽の中を満たしていく
いつもなら背中を浴槽につけるけど今日は特別 お腹を浴槽につける 頭を突っ伏して ガムテープで両手と両足を縛る  
だんだんと顔を水がひたしていき、次第に呼吸がし辛くなる それにつれて浮遊感こそないが、昔感じたきらびやかな異世界の感覚をとりもどしていくような感覚が体をかけめぐった

いつからだろう助けを求めるようになったのは 
沈んでいく中で、水面から差し伸べる誰かの手を待つようになったのは
でも結局 誰も私を助けてはくれなかった 
私がこうやって繰り返し浴槽の中に沈んでいるのも、誰一人として気付くことはなかった

ついに顔全体を水が覆う あのきらきらした世界はもう目の前まできているような気がする

すこしでも憐れんでくれるだけで、それだけで救われたのに

だんだんと酸素が少なくなり 胸が苦しくなる 頭が痛い
じわじわと体が何かどす黒いもので覆われていくような気がした

苦しい

体をよじらせる しかしガムテープで縛った体は全くいうことをきかない

なんで誰も助けにこないの 私はこんなに苦しがっているのに!
死にたくない!助けて!誰か!

必死もがいた足は風呂栓を繋ぐチェーンにひっかかり 動かしたのと同時に風呂栓は勢いよく抜け、ゆっくりと風呂桶を空にしていった

空になった浴槽の中でしばらく私は茫然としていたが、次第に笑いがこみあげてきた
浴槽に手足を縛って突っ伏しているこんな姿、アホみたいだ

何が助けてだろう 浴槽に水をためたのも 沈んでいったのも全部自らしていったことじゃないか
なんてアホらしいんだろう

でも困ったな ガムテープきつく縛ったからほどくのが大変になっちゃった お母さんが帰ってくるまでになんとか起き上がらなきゃ


目を閉じれば 星々
ああ、私本当はこれを探していたんだ




スポンサーサイト
白身君の話
2009.08.27(Thu)
朝焼け、君の唄

こんな夏でも、朝の風は半袖では少し寒いくらい涼しくて、
なんだか黄身と別れたあの日を僕に思い出させる。

白い壁に囲まれた狭いアパートの一室は、
壁につけるようにして置いたテレビと
西に街を一望できる窓に黄身が趣味で置いた観葉植物とフトン以外本当に何もなく
生活感のかけらもないってよく言われたけれど、
でもなんだか折りたたんだフトンをソファー代わりにして寄りかかって、
そして僕と黄身でただじっとテレビを見ている時、
よくわからないけど黄身と気持ちを共有しているような気がして、僕はこの空間が結構好きだった。
そしてこの空間だけが、僕と黄身の世界のすべてだったんだ。

なんてね、僕の悪い癖だ。
思い出はすぐ美化してしまう。
狭い上に冷房もない部屋で楽しみはテレビを見ることぐらいしかなくて、
周りを囲む何の面白みもない白い壁はうだる暑さの中余計に僕の気持ちを鬱々とさせた。
僕は観葉植物に水をやる。黄身は飽きてしまってもうあること自体忘れてしまっているようだから。
朝早いのね。
いつも昼ぐらいに起きる黄身はその日珍しく朝日の昇る前に目が覚めて、
布団から体を起こしてまだ光になれない目を手でごしごしと擦った。
うん、日が強くなるとね、水が熱くなって観葉植物の根に悪いんだ。だから朝にあげないと。
うまく笑顔を作れただろうか。微笑しているように見せたかったけど、口に変に力を入れたから
泣いているように見えたかもしれない。
こんな日でも、僕は黄身に気の利いた一言すら言うことができずに。
よかった。私がいなくなってもちゃんとその子世話してくれそうだね。
彼女の放った言葉が一瞬何か僕の鼻をツンと攻撃したように思えた。
するよ。
今度は本当に泣きそうだったけれど、こんな時の方がむしろ笑顔がうまく作れるものだ。
玄関に立ちつくす僕を背に黄身はドアを開けてそして一度振り向いて
さようなら。
黄身は出て行った。
最後に見た君の顔は今までで一番美しい笑顔だった。

なんで、最後なのに、僕は君にそうきれいだよってたった一言いえずに。
ちくしょう。
なんで、
なんで
夏なのに寒いよ。
ちくしょう――――――。

もうあれから何年もたつのに、まだ昨日のことのように思い出せてしまうから不思議だ。
観葉植物もみるみる大きくなって、今はもう鉢も2周りぐらい大きくなって、
いつ天井に付くまでになるのか
それが今の僕の小さな楽しみの一つになっている。

朝日が昇るとともに世界は色を新しく作り出していき、
昨日を思い出として押し流してゆく。
僕は観葉植物に水をやる。
また一日が始まろうとしているのだ。





「もう寝た?」「…」「ねーもう寝た?」「寝たよ。」「起きてんじゃん!」
2009.07.25(Sat)
こう見えて3歳

塾が新宿だから、帰るまでの電車に乗ってる時間は長くてとても暇です。
そうだ、小説を書こう。
ノートも紙もあるし、それはこの暇な時間をつぶすのにとても丁度いいものに思われました。
でも小説なんて書いたことなかったし、いきなりだから何を書いていいかもわかりません。

とりあえず電車に張ってあるポスターとかそのへんのものを使って小説を書くことにしました。


なんか日記書こうと思ったけど内容忘れちゃったからいいや、この書いた小説のせよう。


==================


僕の名前は、僕の名前はえーっと何にしようかな、ジョッキ、ジョッキ夏生(なつお)。
この春晴れて高校に入学して、初めて電車通学というものをすることになったのだが、
人ごみに飲まれるわ、足をピンヒールで踏まれるわ、
これがまた学校を行き帰りする僕の気持ちを本当に憂鬱とさせるのだった。
もし伸と一緒ではなく、一人でこの電車に乗って高校3年間登下校しなければならないことになってしまったら、
僕の電車から降りたときの顔は木彫りの深海魚みたいなものだっただろう。
伸とは僕の彼女だ。彼女がいるおかげで、僕はこの鬱々とした空間で、時には笑顔を見せ、そしてピンヒールで踏まれた足の話をおもしろおかしく話したりすることができる。
彼女は僕にとって天使だった。彼女が美人だからか、彼女がまとっている独特の雰囲気がそうさせるのかよくわからないが、とにかく僕は彼女といるだけで幸せな気持ちになれるのだった。
今もドアの近くの手すりに寄りかかっている僕の目の前で、ドアに張ってある手のマークのシールと自分の手を重ね合わせて
「この手は私がモデルなんだよ」とかわけのわからないことを言っている伸を見ていると、自然と僕は笑顔がこぼれてしまう。

目白 伸。高校に入学して、隣の席がその人だと知らされたとき、その名前から僕はてっきり男子だと思っていたので、黒いストレートの長髪をなびかせて僕の隣の席に彼女がついた時は思わず
「おはよう」と声をかけてしまった。
人間はほんとうに動揺すると自分でも思ったことのないことをしてしまうと僕はそのとき心底感じた。
まるでずっと小学校から一緒だったように、何も身構えることなくおはよう、といって僕に笑顔をむけた彼女の瞳は透き通り、僕を吸い込んでいってしまうようだった。そう、気がつくと僕は一目惚れをしてしまっていた。
「この名前はね、お母さんがつけてくれたの。すくすく育つようにって」
その珍しい名前の由来を教えてくれたのは、確か、彼女と初デートに行った帰りの電車に乗っている時だった。
「最初はなかなか珍しい名前だと思ったけど、伸って名前、僕は結構好きだよ」
「ありがとう、でも私最近はこの名前ちょっとやだなって思ってるんだよね」
「なんで?」
「シンって英語だと罪とか背くって意味なんだよ。なんか外国行ったら馬鹿にされそうな名前だなって思って」
その美しさは罪だよって言おうとしてやめたのを覚えている。

「夏生はさ、今年の夏の予定何かあるの?」
しばらく手をシールのと合わせて遊んでいた伸は、いきなり自分の体に背中から寄りかかってきた。
瞬間、いいにおいが僕の顔のまわりを覆った。
伸のまわりはいつもこのにおいがする。
このにおいは僕の使っているシャンプーのにおいと似ていた。
同じシャンプーだろうか、だとしたら、
なぜ僕がつかってもいいにおいはしないのに、伸のまわりはとてもいいにおいがするのだろう。
僕は一回伸に使っているシャンプーが僕と同じか聞いてみたことがあった。
伸は首を横にふって答えた
「栄光ゼミナールだけど?」
彼女が何を聞き間違えたのか、今でも僕には分からない。

寄りかかられている感覚がなくなり、
気がつくといつのまにか伸の姿は消えていた。
そうか・・・・。
「石神井公園ー石神井公園ー」
アナウンスとともにドアが開き、生暖かい風が車内に入ってくると電車に吊り下がっている西武遊園地のポスターはゆらゆらとゆれた。
西武遊園地の花火大会。そのポスターを見るたびに、僕の喉のあたりは何かに握られているように
きゅっと細くなり、苦しくなる。
あの事故があった後、あいつらはまた今年も同じことをやろうとしているのか。
去年の夏休み、僕らが2人で見に行った花火大会の最後の目玉レインボーアートは発射する金属管が折れ曲がったことによって、
予定していた高さより随分低く、そして客席側の空に打ち上げられ、その火の粉や破片は
僕たちの座っている席にまで飛んできた。
僕はパニックになり、どうしていいかわからず、逃げていく人たちの後を追って、伸の手をひっぱってただ走っていくことしかできなかった。
もし、もうすこし心を落ち着かせることができれば、僕は上空から迫ってくる花火の破片が伸をめがけていることに気づくことができたかもしれない。
僕はひっぱっていた手からすり抜け、どさっと倒れた音がしたとき、最初伸がこけただけかと思った。
しかし、振り向いたときには、すでに伸の体にはぽっかり穴が空いていた。

そう、伸は、伸はもうこの世にはいない。
花火の破片は心臓を貫き、即死だったそうだ。

でもいまだにこの事実を受け入れられない僕は、電車に乗るといつも彼女の幻覚を見てしまう。
そしていつもあの事故のことを思い出しては顔に焼けるような感覚を覚えるのだ。

「だ、大丈夫ですか?」
同い年ぐらいの目の前の吊革につかまっていた高校生の子が、僕にハンカチを差し出してくれた。
僕はいつのまにか泣いてしまっていたらしい。
「あ、ありがとうございます。」
蝶の可愛らしい刺繍がしてあるハンカチを僕は受け取った、アナスイ?たしかこのブランド、伸が好きとかいってたな。
・・・まてよ。
僕の顔のまわりを覆う伸のいいにおい、そうか、この人伸と同じ匂いがするんだ!
なつかしいにおいを感じて嬉しくなった僕は、つい、その人に伸にいった質問と同じことを言ってしまった。

「エッセンシャルですか?」
「・・・え?なんでわかったんですか?そうです、エッセンシャルアカデミーに通ってます」

僕はやっと、伸のいった意味のわからない答えのわけを分かることができた。



=============================



なんかノートの字が雑すぎたからちょっと加筆修正しました。
それでもなんかよくわからない話ですね。どないやねん。
これ書いてみるとびっくりするぐらい自分の書きたいことと全然違う文になっててびっくりします。
もっとかっこいい文かける人になりたい
今気づいたけど小説ってかくのすごい楽しい!
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。